こうした特集は男性が目にすると、ドキッとする内容も少なくない。
〈「夫が亡くなったとき」にもらえるお金全リスト〉(「女性自身」2018年11月20日号)という特集記事では、〈会社に勤めていた夫(50)が死んだ場合、妻(48)はどれだけもらえるのか計算してみよう〉と、何ともドライな前提を立てて、収入、支出、保険などを織り込んで試算した。
男性誌で「妻が死んだらもらえるお金全リスト」なる特集はなかなか見られないが、女性誌は大胆だ。
同誌は別の号でも、〈夫の没後に「自営業妻の年金」は半減する!〉(2020年8月4日号)、〈人生100年時代、夫に先立たれて家族がいなくても、明るい老後を過ごせます!〉(2019年4月16日号)など、夫の死後のお金を様々な角度から検証する。
こうした女性誌の記事にコメンテーターとして数多く登場する経済ジャーナリストの荻原博子氏が解説する。
「近年の『老後2000万円問題』や消費税増税で老後の金銭的な不安が高まり、さらに新型コロナの心配が重なって、“夫が死んだら私はどうなるのか”と不安を感じる妻が目立つようになりました。そもそも日本では相続や年金などを学ぶ金銭教育が確立されていない。女性誌の特集の背後には、そうした妻の不安があるのです」
※週刊ポスト2020年11月20日号