空前のブームを巻き起こしている『鬼滅の刃』。コミックスシリーズ累計発行部数が1億部、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は興行収入150億円を突破した。連日のメディア報道、コラボ商品も相次ぎ、もはや“鬼滅”という言葉を見ない日はないほどだ。
そんな『鬼滅の刃』の盛り上がりは日本だけでは収まらない。親日国として知られるタイでも、人気になっており、すでに劇場版の公開も決まっている。
「『鬼滅の刃』に、とにかく息子と妻が夢中なんだ。日本に戻るならグッズを送って』とタイ人の同僚から頼まれたばかり。彼自身は最近、家族を通して知ったようですが、『最高!』とうなっていました。タイでも人気だったとは驚きです」
そう驚きの言葉を口にするのは、タイの日系企業で働く日本人男性・Aさん(40代)だ。タイ語名では『ダーブピカートアスン(魔を殺す刀)』だが、日本名の『鬼滅の刃』を口にしても「ヤイバー!」と言い笑顔で喜ぶタイ人もいるほど、タイでも十分に通じるという。
Aさんはすでに日本語版でコミックスは持っているが、自身のタイ語学習のために、タイ語版を購入しようとした。すると、思わぬ出来事に見舞われた。
「漫画が多く置いてある書店に行ったときのことです。タイ版の最新刊は21巻なのですが、それ以外の既刊はすべて売り切れていました。ほかのお店でも、全巻揃っているところがなかなかなかったりして、店員さんに聞くと、もともと人気はあったが、映画の上映が決定したことで漫画の売れ行きも激増しているようです」(Aさん)
タイでは、劇場版が12月9日に公開予定だ。日本人声優のタイ語字幕版だけでなく、タイ人声優による吹き替え版も公開される。特典付きチケットセットを購入できるサイトではすでに売り切れが続出していることからも、人気の高さがうかがえる。
タイの人たちは『鬼滅の刃』をどう見ているのだろうか。日本のゲームやアニメ、漫画が大好きで日本語を勉強中だという飲食店勤務の女性・Bさん(20代)は、『鬼滅の刃』という名前を出すと、「ツーヨクー、ナーレルー」と『紅蓮華』を歌いノリノリだ。