マネー

葬儀業者を通さない「手作り葬」マニュアル 遺体安置、火葬などの注意点

“手作り葬”を行う際のポイント

“手作り葬”を行う際のポイント

 車で搬送する際は遺体を寝た状態で乗せることが大切。だが川崎実さん(仮名・55才)は、こんな失敗談を口にする。

「父の遺体をしっかり固定していなかったので、カーブで曲がるたびに遺体がゴロゴロ。しかも、家について遺体を降ろしたら、車内が濡れてしまっていたんです。あとあと知ったのですが、点滴などの注射痕から、体液が染み出ることがあるそうです。防水シーツにすればよかったと思ったけれど後の祭り。もちろん車内は念入りに掃除しましたが、いまでも乗るときは少し気持ちが沈みます」(川崎さん)

 また車で遺体を運ぶ際には、死亡診断書を携帯しておいた方がよい。警察に止められた際に、問い詰められるハメになりかねないからだ。

 自宅で看取れば安置所への搬送というハードルはなくなるが、ほかのポイントが見えてくる。水野遥さん(仮名・65才)は94才の母を自宅で看取り、手作り葬で送り出した。

「昨年12月のある朝、母は眠るように亡くなっていて、かかりつけの先生に連絡をとり、死亡診断書を書いてもらいました。ただエンゼルケアに失敗してしまい、死後に体液が漏れ出してしまいました」(水野さん)

 エンゼルケアとは遺体の腐敗を防ぎ、きれいな状態で送り出すための処置。死後、体液が流れ出ることを防ぐため、鼻、口、耳、肛門など、穴という穴に脱脂綿を詰める作業が必要になる。オムツをはかせることも、1つの方法だという。

僧侶を呼ばないと墓に入れないは嘘

 遺体を安置する際の注意点もある。

「内臓の腐敗を防ぐために、ドライアイスが必要不可欠です。ドライアイスはご遺体を囲むように置くのではなく、首元から下腹部にかけて体の上に置いてください。病院で亡くなると、ご遺体は胸の前で腕を組んだ状態になっています。それではドライアイスを置けませんので、腕を下ろして“気を付け”の状態にするのがポイントです」(前出・篠原さん)

 ドライアイスの交換は夏場なら1日1回、冬場なら2日に1回。氷雪販売業者から買うことができ、値段は10~15kgで5000~1万円ほどだ。不安であれば、費用はかかるがほかの方法もある。

「7月に母が亡くなったのですが、今年は暑い日が続き、ドライアイスを入れていても、遺体がにおってくるのではと心配になりました。火葬場を予約したら、混んでいて1週間先になると言われてしまい、思い切って“安置施設”に預けることにしました。“遺体ホテル”なんて呼ばれ方もする施設で、1日8000円ほどでしたが、それで不安を解消できるならと利用を決めました」(伊藤美紀子さん・仮名・50才)

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。