株主優待にも注目
不動産より“手頃”に思える駐車場投資は立地による影響が大きい。
「10万~100万円ほどの小口投資でコインパーキングの共同投資ができますが、利益を出すのはハードルが高い。車の往来が多く需要の高い地域に空き地を所有している人以外は避けたほうがいい」(前出・頼藤氏)
深野氏は柔軟に動ける株式投資を挙げた。
「手間やコストをかけずにできる株式投資が無難です。特に大企業は値崩れしにくいので長期保有に向いている。配当金だけでなく株主優待に目をつければ、定年から10年ずっと優待を受けられて、生活の足しにできます。一例として『オリックス』の株を夫婦で25万円ほど購入すれば、配当金を年に約1万5000円得た上に、年間15キロもの『あきたこまち』がもらえます。ただし下落のリスクもあるので、リスク管理が必要です」
そんな2人が声を揃えて定年後に向いていると話すのは投資信託だ。
「中でも20年間非課税で年齢の上限がない『つみたてNISA』がいい。60歳から月3万円を積み立てて年4%で運用すれば、10年間で360万円が440万円になり、80万円の運用益が出ます。その後、70歳以降は月5万円ずつ取り崩しながら年金に上乗せするのが理想です。つみたてNISAは金融機関に支払う信託報酬が低いことも長期運用に向いています」(前出・頼藤氏)
定年崩壊が“資産崩壊”につながらないよう熟考したい。
※週刊ポスト2020年11月20日号