老後のための資産形成の手法として注目されているイデコ(個人型確定拠出年金=iDeCo)。所得控除、運用益の非課税、受け取りの際の税額控除など、税制面でのメリットも多いが、運用経験が少ない人にとっては、どの商品をどんな基準で選べばよいかわからないという人も少なくないだろう。
商品選びの基準となるのは「信託報酬(運用管理費用)」だ。運用会社が投資信託を運用する際の「手数料」のことで、安い方がいい。
もう1つ、目安となるのが、あなたの年齢だ。今回は、30代・40代・50代の世代別で、イデコの利益を最大限伸ばす「作戦」を考えた。まず、30代についてファイナンシャルプランナーの横川由理さんが説明する。
「受け取りまでの期間が長く、長期の投資ができる30代なら、ハイリスクハイリターンの株式中心の投資がおすすめです。長期投資であれば、多少の下落があっても取り返しやすい。攻めの姿勢で、100%株式投資にあててもいいでしょう。1つの株に投資せず、投資先を分散することが重要です」
40代になったら、少しずつ安定的な運用も考えたい。株式に比べると見込める利益は小さいが、リスクも少ない「債券」を組み込むことも考慮したい。
「積極的な運用を狙うなら、株式100%でもいいでしょう。リスクを抑えて安定的な運用を目指すなら、債券と株式をバランスよく組み合わせましょう」(横川さん)