「帰省した時、実家に寝泊まりしないと言うと、最初は両親から『そんなに家の居心地が悪いの?』みたいにグチグチ言われていたんですが、子連れの場合はその方が気が楽なんですよね。両親も、今となってはそのほうが自分たちも楽なことに気がついたようです」(Bさん)
Bさんは、すでに年末年始に帰省することを決めている。自らの気疲れ、新型コロナ対策はもちろん、高齢の親の負担を考えると、やはりホテル帰省がよいのではないかと話す。
「ここ数年のホテル帰省でわかったのは、やはり実家に泊まるのは親にとって負担だったんだな、ってことですね。両親も布団を用意したり、料理は何にしようか考えたり、子供たちの好きそうなお菓子などの買い出しなど、歳をとるにつれてやはり大変そう。孫の顔を見るのは嬉しいけど、とても疲れるのが本音みたいです。今年は『Go To』があるので、ワンランク上のホテルに泊まる予定。クーポンで両親と一緒に何か美味しいものでも食べられたら」(Bさん)
北海道出身で、東京在住の20代の男性会社員・Cさんは、毎年2回は実家に帰っていたが、今年は帰っていない。両親からも「コロナがもう少し落ち着いたら会おう」と年末年始の帰省をやんわり断られたという。北海道と東京都、どちらも感染拡大が続くことから、「仕方がない」と思っている。
「『Go To』の利用も考えましたが、北海道も東京も感染者数が多いので、お互いにリスクがあると思い、今年の帰省は見送ることにしました。両親をはじめ地元の友人にも会えないのは寂しいですが、我慢です」(Cさん)
Cさんは帰省しない代わりに、“東京らしい”過ごし方を検討中だ。
「東京での年越しを充実させようと思っています。都内のちょっといいホテルに『Go To』で泊まってゆっくりするのもいいかなと」(Cさん)
感染対策と両親に会いたい葛藤で揺れ動く中、「Go To」がコロナ禍の帰省問題に希望を少なからず与えているようだ。