とは、弁護士の中里妃沙子さんだ(「」内以下同)。協議なら、どんな理由でも双方が合意すれば離婚できるが、調停や審判、訴訟は「法律上の離婚原因」にのっとった理由が必要になる。例えば、DVや長期にわたる別居などは、「その他婚姻を継続し難い重要な事由」として離婚を請求できる。とはいえ、離婚原因を裏付ける証拠がなければ、離婚は認められにくい。証拠を示せない場合や法律上の離婚原因に該当しない「性格の不一致」では、離婚は認められにくいという。しかし、離婚理由で最も多いのが、この「性格の不一致」だ。
「とにかく嫌い。こんな理由で離婚できますか、という相談者は多いんです。こういったケースでは、長期間別居をすることで認められることもありますが、別居にも正当な理由が必要。というのも、夫婦には同居義務があるからです。そのため別居の際も、“話し合いを重ね、修復を試みたけれどできなかった”“夫婦がいがみ合うと子供に悪影響を与えるので、やむを得ず実家に帰る”などの手紙や日記を証拠として残しておくなど、準備が必要です」
財産分与に備え資産を洗い出す
離婚原因が明確で証拠もそろえられそうなら、次にすべきは、資産の洗い出しだ。別居中の生活費は夫からの婚姻費用でまかなえても、離婚後生活していけるのか。いくらもらえるのかを含めてあらかじめ試算しておくことが必要だ。専業主婦や、夫の収入にい損じている部分が大きい女性が、離婚を望む場合について、総合探偵社MR代表・岡田真弓さんはこう話す。
「預金通帳や給与明細書、不動産の証書、金融機関からの封書も、画像データに残しておくと、夫の財産隠しを防げます」