ロンドン(イギリス):2700円、パリ(フランス):3768円、デュッセルドルフ(ドイツ):4179円、ソウル(韓国):6004円、ニューヨーク(アメリカ):7990円、東京(日本):8175円。──これは世界各都市のスマホユーザー(20GB)の平均的な月々のスマホ代を総務省が調査(2020年3月)したもの。なんと、ロンドンに比べて東京は約3倍も高い。
「携帯電話料金は4割程度、下げられる余地がある」。菅義偉首相(71才)は2年前からそうした主張を繰り返し、ケータイ料金の値下げはいまや政権の目玉政策だ。
「政府が民間サービスである携帯電話料金に口出しすることに違和感を持つ人は少なくないでしょう。しかし、現在は3大キャリアのNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社が、国と国民の財産である『電波』をほぼ独占して、莫大な利益を上げている。菅首相の“値下げ要請”にも一理あるのです」(経済ジャーナリスト)
どちらにせよ、スマホユーザーとしてみれば、値下げしてくれるに越したことはない。ほんの15年前まで、こんなにケータイ料金が家計を圧迫すると思ってもみなかったが、いまやスマホ代のカットは家計の“目玉政策”でもあるのだ。
あらためて3大キャリアの料金プランを見てみると、スマホユーザーに一般的な大容量プランでは、ドコモが月額7150円(30GB)、KDDIが7650円(データ通信量上限なし)、ソフトバンクが7480円(50GB)。冒頭の調査の通り、東京のスマホ代が8000円ほどなのは妥当なところだ。
だが、節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが断言する。
「スマホに月5000円以上払っているのは、はっきり言って高すぎる。菅首相の値下げ政策を待つまでもなく、いまでも5000円以下に抑えることは簡単です」
すべてLINEを使えば「月600円」
まず検討すべきは「大手キャリアのサブブランド」への乗り換えだ。サブブランドとは、KDDIやソフトバンクが提供する低価格帯のサービスのこと。いわゆる“格安スマホ”の一種だが、1000社以上ある独立系の格安スマホ会社に比べ、大手キャリアが運営するだけに安心感がある。
「ケータイ料金を下げろ」という政府の“圧力”を受け、10月末、各社のサブブランドはさらに値下げ。KDDIのサブブランド「UQモバイル」は月額3980円(20GB)プラン、ソフトバンク「ワイモバイル」も月額4480円(20GB)プランを発表した。
「サブブランドは安いだけあって電波が通じにくいとか、通信データ容量が小さいと思っている人も多い。しかし実際は回線の品質も充分だし、大容量も使える。大手キャリアと遜色ないレベルです」(大手キャリア社員)