ここ数年、家電量販店やCMなどで見かける機会も増えた「格安スマホ」。MVNO(仮想移動体通信事業者)が大手キャリアから通信設備を借り、独自の通信サービスを提供することで、安価な料金体系を実現させている。一般的には、大手キャリアでのスマートフォン利用者の月額料金が1万円近くになるのに比べ、MVNOを利用する人の月額費用は約半分の金額に収まることも多いとされる。
MM総研の調査によれば、2019年3月時点の大手キャリア傘下ではない独立MVNO業者による独自サービス型SIMの回線契約数は、1312万回線超。前年度から21.2%増の成長で、携帯電話の全契約数に占める割合は7.4%となっている。年々普及が進んでいることがわかるが、それでもMVNOに乗り換えない人たちにその理由を聞いてみた。
40代の主婦・Aさんは、「面倒さ」を上げる。
「ドコモ、au、ソフトバンクから選べばよい大手通信会社と比較して、選択肢があまりにも多い。社数も多いため、どこの会社のサービスが良いのか分からないうえに、プランを比較検討するのも面倒。店員が手取り足取りサポートしてくれる携帯ショップもないし、不安が多いです」
社会人1年目の20代女性・Bさんの友人の中には、すでに格安SIMに乗り換えた人も多い。Bさんも固定費を削減したいと考えているが、「通信速度」への不安があり、なかなか踏ん切りがつかないという。
「格安SIMを契約中の友人は、地下にある飲食店や地下鉄の中からでも、ネットにつながりにくそうにしている。インスタグラムやTwitterがつながりにくかったり、動画を視聴するのに時間がかかるのはストレス。格安SIMのつながりにくさが解消されるまでは、移行することはないと思います」