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【日本株週間見通し】日経平均は25000円台を維持できるのか

 今週の日経平均は、騰勢一服で25000円台を固める動きが見込まれる。11月に入り日経平均は2日から12日にかけての8連騰で2543.75円の上昇幅を見て、22000円台から29年ぶりの高値となる25000円台に水準を一気に切り上げた。短期的な過熱感と週末を控えていたことからすると13日の一服は許容範囲ともみられる。

 同様に米国市場も、バイデン米大統領候補の「勝利宣言」に加えて、米ファイザー社がワクチンの臨床試験で「9割を超える予防効果がある」との暫定結果を発表した9日にNYダウは一時29933.83ドルと3万ドル大台に肉薄し、その後は伸び悩んで調整に転じた。新型コロナウイルスの新規感染者数の再拡大は欧米だけでなく国内でも顕著となってきており、経済に与える影響を警戒する動きも強まってきている。

 しかし、日経平均がスピード調整となっても相場全体が一気にリスクオフとなる状況ではなさそうだ。TOPIX(東証株価指数)は1月20日の年初来高値1745.95ポイントを未更新状態であるほか、買われすぎ売られすぎを表すとされる25日騰落レシオは12日の時点で「買われすぎ」を示す120%からは遠い94.9%にとどまっている。

 また、需給的にみても海外投資家の投資スタンスに大きな変化が出ている。東証が12日に発表した11月第1週(2日-6日)の投資部門別売買動向(現物)によると、海外投資家の買越額は3572億円と3週ぶりに買い越し、現物と先物の合算でも4週ぶりに買い越しに転じ、買越額も1兆993億円(前週は6253億円の売り越し)に膨らんでいる。第2週も膨らんでいることは確実視され、クリスマスラリーと年末高に向けた期待は残っている。

 さらに、主要企業の4-9月期決算発表も13日で一巡したが、業績予想を上方修正する企業が意外と多いことなどが株価下支え要因ともなっている。翌週に3連休を控えた11月第3週(16日-20日)の日経平均は、新型コロナウイルスの感染者数動向と米国市場、為替相場をにらむ形で踊り場を形成することが予想される。

 物色的には、決算発表の一巡を受けて改めて業績内容を手掛かりとした好業績銘柄の選別買いが意識されてきそうだ。また、新型コロナウイルスの感染者数増加を受けてマスクなど衛生用品などの関連銘柄を再浮上させてくる可能性がある。このほか、調整していたマザーズ指数が13日にかけて3日続伸し、切り返しの動きを強めている。11月に入りはじめてのIPOも19日に予定されるほか、例年急増する12月IPO銘柄のスケジュール発表も活発化してくることが刺激材料となって、新興市場や中小型株にも物色資金が回帰してきそうだ。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、16日に7-9月期GDP速報値、18日に10月貿易統計、10月訪日外客数、19日に10月首都圏新規マンション発売、20日に10月全国消費者物価指数、10月の主要コンビニ売上高が予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールは、16日に中国10月工業生産・小売売上高、中国10月都市部固定資産投資、米11月NY連銀製造業景気指数、17日に米10月小売売上高、米10月輸出入物価、米10月鉱工業生産・設備稼働率、米11月NAHB住宅市場指数、18日に米10月住宅着工件数、米10月建設許可件数、19日に米11月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米10月中古住宅販売件数がそれぞれ予定されている。

 このほか、20日にAPEC首脳会議、21日に20カ国・地域首脳会議(G20サミット、22日まで)がオンラインで開催予定となっている。

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