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29年ぶり高値更新のその先は? 「日経平均3万円超え」の現実味

 ただ、その後の値動きを見ると、「グロース相場」が完全に潰えたわけではなく、日によっては息を吹き返している。当面は「グロース」と「バリュー」を行き来する「循環物色」が続き、どちらかが下がってもどちらかが上がることで、株式市場全体の水準も徐々に上がり、株高局面が当面続くことが予想される。

 株高が続きそうな要因はまだある。企業業績を見ると、コロナ禍で今期(2021年3月期)の数字が悪くなるのは必至だが、落ち込んだ分、来期(2022年3月期)は軒並み大幅増益が期待できる。金融緩和により企業の資金繰りが下支えされることに加え、企業業績の大幅回復や、バイデン氏の米大統領就任後の大型経済対策も期待できる。

 バイデン氏は、トランプ政権下で富を蓄えてきた大企業や富裕層向けの増税強化を掲げている。だが、コロナの景気対策のためアクセルを踏んでいる時に、景気を冷やしかねない「増税」というブレーキを拙速に踏むようなことはしないだろう。何より、下院は民主党優勢でも上院は共和党優勢であり、上下両院の「ねじれ」によって、バイデン氏の政策がそのまま通ることは考えにくい。

 株価の重石となる要因が見当たらない以上、米国株(NYダウ、ナスダック総合指数)の史上最高値更新が続くのはもちろん、日経平均株価もさらなる上昇が予想される。このままの勢いで推移すれば、来年には「3万円超え」があってもおかしくない。来期の企業の業績予想が出揃う2021年6月、あるいは中間決算が出揃う2021年11月からクリスマス商戦にかけて回復基調が鮮明になると、「日経平均株価3万円超え」が現実味を帯びる可能性もある。

 各国の中央銀行の金融緩和によって大量の資金が株式市場へと流入し、どこの国も事実上の「官製相場」になっている。これは明らかに「コロナ・バブル」といえるが、そうである以上、コロナが収束して経済が正常化し、中央銀行が輪転機を止めるまでバブルは終わらないと見た方が良いのではないだろうか。

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