苦し紛れに友人を利用して…
得たポイントは次回の合コンの支払い時に使い、参加者から集めた現金は自分の財布に入れたそうだ。最初はそれで上手くいっていたそうだが、徐々に雲行きが怪しくなっていったと坂口さんは振り返る。
「そもそも合コンに誘える人が減っていきました。マッチングアプリで40代の女性に声をかけたこともありましたよ。女性はどうにかなるんですが、男が集まらなくて……。そこで声を掛けたのが僕の友人でした。これが失敗の原因でしたね」
坂口さんの友人は合コン参加を快諾してくれたものの、Go Toイートのポイントの存在にすぐに気づいたそうだ。そこでポイントの割り勘を提案されたそうだが、坂口さんは“幹事だから……”とやんわり拒否。友人も渋々納得してくれたはず、と思っていたが、違ったようだった。
「合コンには参加してくれましたが、それ以来、僕からの誘いを断るようになりました。何度誘っても『用事がある』といわれてしまって……。避けられていることに気づいたんです」
Go Toイートのポイントは得ることができたものの、友人を無くしてしまったと落ち込む坂口さん。そんな大事になるまで、“ポイントの代償”に気づくことはなかったようだ。
主だった飲食店予約サイトでは「ポイント付与終了」のアナウンスが出されるなか、坂口さんが繰り返してきた“錬金術”も終わりが近づいてきている。
もちろん、坂口さんの行動はルールに則って行っているので不正ではない。しかし、それを周囲が知ったら不快な思いをするのは、初めから分かっていたはずのことではある。