コロナ禍の昨今、対面でのやりとりが減ったことで、SNSや電話で連絡をとる機会が増えたという人は多いだろう。しかし電話の場合、いつも相手が出られるとは限らない。なかには留守番電話や伝言メモサービスを設定している人もいるだろうが、かけた電話が留守番電話につながったとき、どう対応すべきか困惑してしまう人もいるようだ。
印刷会社に勤務する20代の男性会社員・Aさんは、もともと新人時代から電話対応が苦手で、職場の固定電話での対応も、「本音としては、できるだけ避けたい」と言うほどだった。そんなAさんにとって、固定電話対応がなくなるテレワークへの移行は朗報だったが、上司のスマホに予想外のことが起きた。
「テレワークになってから、上司が留守番電話サービスを利用するようになっていたんです。出られないときの配慮なのかもしれませんが、僕にとっては強敵です。留守番電話に吹き込むのって、事前に“台本”を作らないと、スムーズに言えないことが多くて……。しどろもどろになって、3分間の規定時間内に話が終わらず、2回にわたってメッセージを吹き込んだこともあります」(Aさん)
上司はメールやLINEではなく電話での報告を要求するが、電話に出られないことも多く、しょっちゅう留守番電話に遭遇するAさん。
「伝言メモほどじゃないですが、留守番電話も要件を全部伝えるには短いこともあるし、だからといって『またかけ直します』みたいなメッセージを残す意味もよくわからない。留守番電話がなくても、不在着信で誰からかかってきた番号かわかるし、必要ないんじゃないかな、って思います」
とボヤき気味だったが、ある日「別に留守番電話だからといって、メッセージを必ず入れる必要はない」と同僚に言われ、呪縛から解き放たれた。
「留守番電話だというアナウンスが流れ始めたら、さっさと電話を切ります。でもそのままだと感じが悪いかなと思って、『かけ直します』など、ショートメッセージを送るようにしました。でも、ますます留守番電話の意味がわからなくなっています」(Aさん)