10月1日から始まった政府の飲食店支援策「Go Toイート」は、オンライン予約分の予算616億円に達しそうなことや、コロナ感染者急増の情勢から、「ポイント付与は近日終了」「4人以下での利用要請」という発表がなされた。それを受け、大手グルメサイトでは次々にポイント付与を終了。さらに“第3波”の拡大を受けて農林水産省は、Go To イートの食事券の新規発行を一時停止するように、都道府県に要請した。
こういった状況の中、国民からは怒りと戸惑いの声が噴出している。
「オンラインは使わないうちに終わるし、発券式は紙不足だとかで行き渡ってないし。ずさんすぎない?」
「参加しないお店は支援しないの? 行かない人は? 税金返してほしい」
「子供を除いた4人以下って、子供は含まれないの? 大人3人で子供5人ならOKなの!? もう何が何やら……」
消費者問題研究所所長で食品問題評論家の垣田達哉さんによれば、導入当初から多くの問題点を抱えていたという。
「Go Toイートには、プレミアム付食事券とオンライン飲食予約がありますが、食事券は都道府県によって競争率が10倍以上違うという地方格差がありますし、オンライン予約はスマホ弱者やネット弱者にとって非常に利用しにくいという、どちらもかなり不公平な制度と断言できます。実際、10月1日から23日までの約1か月間で1535万人(組)しか利用していませんが、これは、もし1人が2回利用していればわずか768万人、人口の5%程度です。しかもそのほとんどは大都市に偏り、田舎はもちろん地方都市レベルでも参加している飲食店は少ない。利用している消費者はかなり少ないことが推察されます」(垣田さん)
それを裏付けるように、ネットアンケート『Yahoo!ニュースみんなの意見』では「Go Toイート」を利用した人は全体の15.1%に留まっている(10月15~25日実施、5万9535人回答)。
「10月7日には、農水省のホームページで突然オンライン予約分の予算配分が767億円から616億円と、151億円減額されました。理由を問い合わせたところ、オンラインよりも食事券の利用が多くなる見込みだからそちらを増額したということでしたが、100億円という多額の税金が農水省の裁量で簡単に増減できてしまうことにも大きな問題があります。問題だらけのキャンペーンですから、あっという間にオンライン予約が終了するのもある意味当然の帰結といえるでしょう」(垣田さん)