バーの客層が様変わり
ある飲食店のオーナー男性は「この制度はぼくらのためじゃない、グルメサイトのための救済策」とバッサリ。
「都内にカフェとレストランを数軒、ターミナル駅にもスイーツ店を出店しています。うちもグルメサイトの登録料がバカにならないので解約しようと思っていたんですけど、Go Toイートがあるから、全店継続。登録料(*)のほかに送客手数料も取られるので、ぼくらが楽になるのはまだまだ先です」
【*Go Toイート期間中のグルメサイト新規登録は無料。継続、更新の場合は料金が発生する】
ブログは月間200万アクセスを記録し日本一のグルメブロガーと称される、グルメエンターテイナーのフォーリンデブはっしーさんが言う。
「お店の料理ジャンルや平均価格帯にもよると思うのですが、コロナで苦しい経営状況が続いてやっとお客さんが戻ってきたといういまの状況で、グルメサイトに手数料を払ってでもGo Toに参加できるお店は“体力があるお店”といえるでしょう。その逆で、Go Toに頼らず頑張っているお店もありますね」
Go Toイートに参加している都内の居酒屋店主は、「営業時間中でもメールチェックが欠かせない」とこぼす。
「Go Toはありがたいと思って参加したんですが、うちの常連さんは中高年の人が多いせいか、実際に使う人は少ないですね。でも、いつ予約が入るかわからないから、接客中もスマホをチェック。ぼくよりご年配でネットに詳しくない人には、絶対無理だと思う」
またバー巡りが好きな男性からはこんな不満の声も。
「『お酒1杯だけでいいですか?』って大学生くらいの若い連中がわいわい数人入ってきて、1000円以内のお酒を本当に1杯だけ飲んで帰るんですよ。飲んでいる間もずっとスマホをいじってて、次ここ行こうぜって出て行くんです。バーのいい雰囲気がぶち壊し。怒りを通り越してやるせないよ」
とはいえ、税金が使われている国のキャンペーン。使うのは納税者の当然の権利でもある。
「お客さんの中には、ポイントを貯めておいて、『忘年会で使う』とおっしゃるかたもいますが、毎回うちで使ってくださる常連客のかたも。うちじゃないですが、店とお客さんが口裏合わせて“来店した”ことにして不正にポイントを入手した、なんて話も聞きました」(前出・飲食店のオーナー男性)