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コロナ禍で大学受験生の志望校選びに変化 「地元志向」「理高文低」に

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志望者を減らす人気学部も

 だが、そんなしっかりした受験生に人気を集める文系学部もある。

「AI(人工知能)やIoT(自動運転やドローンによる無人配送など、モノのインターネット)、ビッグデータを使うデータサイエンス学部は文系の受験生でも挑戦可能なところがあります」

 データサイエンスとは、蓄積された大量のデータを統計学などを使って分析し、ビジネスや医療、スポーツなど幅広い分野における問題を解決に導く手法のこと。経済産業省も、こうした専門技術を持つ「先端IT人材」が大量に不足すると予測しており、2025年までに年間25万人を育てるという目標を掲げている。今後、引く手あまたとなることが確実な成長分野だ。

「今年の理系人気は間違いない。コロナ不況がやってくることを見越し、文系では就職が不安だと、学生たちは感じているのです。同様の理由で、工学部への関心も高い。たとえば、医学部の領域だけでは治せない病気も、工学部と組むことで高度な医療が可能になりうる。機械を作るばかりが工学部ではないと理解されてきているようです」(市村さん・以下同)

 コロナ禍で献身ぶりが伝えられる医療関係者を育成する学部学科は、今後できるだけ多く人材を確保しようとする、“ねらい目”の就職口になるはず。

「現在は医師も看護師も感染の危険と隣り合わせのため、学生たちの中には敬遠する人もいるでしょう。この状況下で医師や看護師を目指す受験生は、本当に志が高いと言えるのではないでしょうか。

 一方で、患者と直接かかわらずとも多くの命を救える学部に人気が集まっている。難関大の薬学部は人気が上昇していますし、検査技師を養成する学部も志望者を増やしています」

 散々振り回された受験生が「安心・安定」を求めるようになり、数々の人気学部が志望者を減らしそうだ。

「コロナ禍のあおりが直撃しているのは観光系、“国際”と名のつくグローバル系学部です。就職先となる旅行会社や航空会社が軒並み勢いを失っていますし、“売り”だった留学ができなくなった。早稲田大学の国際教養学部や国際教養大学などは一時的に人気を落とすのではないでしょうか」(石渡さん)

※女性セブン2020年12月3日号

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