基礎控除の額は「3000万円+600万円×相続人の数」で計算される。この一家のケースでは「妻、長男、長女」が相続人だと基礎控除は4800万円だが、養子1人分をプラスすれば基礎控除が5400万円まで増える。家族全体としては支払う相続税の額を抑えられる可能性があるわけだ。
もちろん、長女側からすれば、そんな理屈で納得できる話ではない。このケースではその後、長女と長男家族と疎遠になってしまったという。相続をきっかけに家族関係が崩壊することのないように、日頃から家族のコミュニケーションを円滑にしておきたい。
※週刊ポスト2021年1月1日号増刊『週刊ポストGOLD もめない相続』より