「部屋の隅に山積みにされた服の山と、日に焼けた本……。使いかけの化粧品や未使用のノベルティグッズも。どこに片付けるかを聞いたら、『今から出品するのよ!』と言い出したんですよ」
妻はスマートフォンを使い、山積みになった出品物を1つずつパシャパシャと撮影。小泉さんから見ると、売れるようなものではないという。
驚くのは出品価格。送料やサイト利用手数料を引くと、1出品当たり100円程度しか残らないくらいの安価な設定だったという。実際に売れるまでの在庫管理や出品の手間を考え、リサイクルショップへ持って行ったほうが良いのではないかと小泉さんが提案してみると……。
「『あなたの給料が高かったらこんなことしないわよ! リサイクルショップまで車を出すガソリン代を考えたら赤字でしょ? 少しは頭使いなさいよ』なんて言われちゃいました。そんな言い方はないですよね……」
給料については、何も言い返せなかったという小泉さん。それ以上、何を言っても怒られそうだったので、現在は山積みの不用品を見つめるだけの日々を送っているそうだ。
自分が不要になったものをすぐに捨てずに、必要としている人へバトンタッチできれば素敵なことだ。しかし、それらを保管するスペースにも限りがある。“いつか売れるはず!”という理由で自宅にデッドスペースを作る状況が続けば、すっきり年越しとはいかないだろう。