消費財メーカーで働く30代の男性・Bさんも、一時はオンライン飲み会をやっていた。現在は、少人数で居酒屋に行くこともあるが、仕事帰りにコンビニやスーパーで買ったつまみとお酒を持ち帰って、一人で家飲みすることが増えた。
「オンライン飲み会は、相手も在宅前提なので、気軽に飲みに誘えない。仕事終わりに『今日は○○に飲みに行こうぜ』という感じにはなりません。それに僕は居酒屋のにおいや空気感はもちろん、店員さんや、他の客との思わぬ交流のようなものも好きなので、オンライン飲み会にあまりおもしろみを感じません」(Bさん)
人材派遣会社に勤める20代の女性・Cさんは、「なかなか会えない人と飲める」「酔った勢いで体に触れられることがない」とオンライン飲み会の利点を挙げつつも、最近は疎遠になったと明かす。
「オンラインならではのメリットもあるのですが、間が持たない。仲の良い人たちならまだしも、職場のおじさんと対面はつらい。みんなが“こちら”を向いているのって、正直しんどいです」(Cさん)
Cさんは、「緊急事態宣言の間、オンライン飲み会で集まった時には感動したものです。でも、今は“第3波”で再びコロナが感染拡大していますが、別にテレワークになっているわけでもないし、飲食店も時短とはいえ営業している。だから、わざわざオンライン飲み会をする理由もない」と続ける。そのうえで、オンライン忘年会は「ありません」と断言する。
「私にとっての忘年会は、例えば職場なら、『1年ありがとうございました』と挨拶をして回って、一人一人とゆっくり話すものでした。それがオンライン飲み会になると、一人が話している間、残りの人は延々聞いていることになる。話している方も聞かれたくないことなんかがあるだろうし、聞かされる方もしんどそうです。
友人たちとなら、別にオンラインでわざわざ集まらなくても、少人数で対策をしながら会えばいいと考えています」(Cさん)
ここに登場した3人とも、飲み会は、オンラインでするくらいなら「中止にした方がいい」というのが共通認識。コロナの“第3波”が到来する中、再び脚光を集めるかに思えたオンライン飲み会だが、一度離れた人たちの声を聞く限り、諸手を挙げて「またやりたい」というわけではないようだ。