資金の供給元になっている各国中央銀行の金融緩和は当面続く見通しで、「日経平均は大台の3万円台まであと1割強となっている。来年の早い段階で3万円は現実味を帯びる可能性が高まっている」(藤井氏)というのだ。
マーケットアナリストの平野憲一氏もこんな見方をする。
「現在の株高は、日経平均が史上最高値(3万8915円)をつけた1989年末の前年と比較したほうがいい。
1988年は土地神話が根強く、溢れていた資金の多くが不動産に流れました。しかし、今は圧倒的に株式市場に流れており、1980年代のバブル期よりも格段に株価上昇の力があると見ています。1988年の2万6600円台から翌年に最高値をつけたように、来年半ばまでに3万円の大台に乗せる可能性は高い」
もっとも、現在の株高はワクチン開発による景気回復期待の高まりがもたらしている面もある。ワクチン接種が広まり、効果が実証されてはじめて本格的な景気回復につながる公算が高いだろう。
上昇局面の恩恵を受けようとするとともに、事態の推移を冷静に見る目が求められる。
※週刊ポスト2020年12月18日号