Aさんは現在の4LDKは、高齢の両親の2人暮らしには広すぎると考えている。「早く家を売ってサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)へ入居してほしい」というのが本音だ。サ高住なら、将来もっと年をとったとき、安否確認や生活相談などのサービスが利用できる。
「元気なうちに早く住み替えてほしいのですが、なかなか親に言えなくて……。両親どちらかが亡くなったら考えてくれるのかもしれませんが、持ち家はメンテナンスが大変なうえ、相続の手続きとかも面倒そう。私も含めた3人の子供たちは、みんな独立しているし、将来この家に住む選択肢はまずない。親が生きているうちに、きちんと処分してほしいというのが本音です」
高齢になると、引っ越しする気力がなかったり、今さら知らない場所で暮らすのは嫌だと言うケースも多い。それだけにAさんも、「早くなんとかした方がいいとは思っているのですが……」と頭を抱える。問題を先送りにするだけではなんの解決にもならないが、だからといって有効な手も打てない。同様の悩みを抱えている人は、少なくないのではないか。