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特殊清掃員が見た孤独死現場 40~60代の一人暮らしのリスク

孤独死の現場は古いアパートに限らないという(イメージ)

孤独死の現場は古いアパートに限らないという(イメージ)

 東京都監察医務院の調査によると、東京23区内で、65才以上のひとり暮らしの高齢者が自宅で亡くなったケースは、2002年が1364件だったのに対し、2019年は3882件と、約3倍にも増加している。ひとりのときに自宅で死ぬことの大きな問題は、遺体の発見が遅れる点にある。日が経つほど腐敗が進むからだ。

 清掃会社『まごのて』代表取締役の佐々木久史さんはこう語る。

「当社では年間約1000件以上の清掃業務を行っています。特殊清掃を始めた当初は年間で数十件ほどの依頼でしたが、いまは業務全体の約2割が孤独死の案件です。孤独死が増えていることを実感しています」

 佐々木さんによれば、孤独死の現場に特徴的な共通性はないという。よくイメージされるようなゴミ屋敷とは限らず、きれいに片づいた部屋も少なくない。男女比は8:2で、高級マンションから低家賃のアパートまで、現場は多種多様。さらに言えば、ひとり暮らしとも限らないという。

 家族と同居していたのに関係が薄く、自室で亡くなっていたのに、数日間家族に気づかれなかった例もあるからだ。つまり、結婚していようが子供がいようが、ひとり暮らしであろうがなかろうが、誰もがひとりで死ぬ可能性がある。

「われわれが呼ばれるような現場は、実は、後期高齢者のかたが亡くなった部屋は少ないんです。高齢者はデイサービスなどを受けているケースが多く、自宅に来てくれる人がいるので、ひとりで亡くなっても数日以内に発見される可能性が高い。問題になるケースが多いのは、40~60代のひとり暮らし。現役世代のため、デイサービスなどを使うこともなく、亡くなってもしばらく気づかれないんです」

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