別居の“タイミング”でも悲劇が…
離婚即決が難しい場合でも、別居は速やかに行なうことが望ましい。
「子供が成人のため養育費が問題にならない熟年離婚で、圧倒的に揉めるのが財産分与です。財産分与は夫婦の協力によって得た財産が対象となり、不動産、金銭、預金債権、有価証券などが含まれます。
しかし、別居した夫婦は通常、共同財産の形成に寄与・貢献することは考えられないため、別居後に夫が築いた財産は分与の対象外となります」(澤田氏)
ただし、これは夫が現役世代で資産が増えていく状況において当てはまるセオリーであることに注意したい。
「預金を取り崩しながら生活している完全リタイア後の世代であれば、必ずしも別居を急がなくてもよいでしょう」(田村氏)
むしろ、リタイア後も財産の管理を妻に任せきりの場合、別居を急ぐととんだ落とし穴が。
「別居を急ぐあまり自分の財産を確認することができず、また、妻の隠し財産を探すといった対策が取れず、泣きを見ることもあります」(澤田氏)
※週刊ポスト2020年12月18日号