新型コロナウイルスの混乱でさまざまな政策が打ち出され、人々の生活も変化した。とくに本来なら仕事納めの“儀式”も増える年末に、大きな影響が出ている。女性セブンのアラ還ライター“オバ記者”こと野原広子は、そんな年末の状況について、小池百合子都知事が打ち出した「5つの小」と関連付けて考察・レポートする。
* * *
「あ~あ、やっぱりなぁ」。2020年の「ユーキャン新語・流行語大賞」に東京都の小池百合子都知事(68才)らが呼びかけた「3密」が選ばれたと聞いたときの、なんともいえないヤ~な感じったらない。
そもそも彼女が命名したんじゃないしね。最初、厚生労働省が「3密」を呼びかけたときはパッとしなかったのに、殺到する報道陣に小池都知事が「密です」を連呼したら火がついた。その機を逃さず、すかさず「密への意識が高まったことはよかった」と語り、気がつくと、すっかり彼女の顔とそのフレーズがセットになって、みんなの頭の中に定着。ホント、キャッチフレーズの使い方が巧みよね。
この間もドヤ顔でフリップを振りかざしながら「5つの小」を連呼してたけど、またですかい、って感じね。いわく、「年末年始の会食は『小人数』で、『小一時間』、『小声』で楽しんで、料理は『小皿』に分けて、『小まめ』に換気や消毒をしていただく。加えて、最前線で必死に尽力されている医療従事者への“こ”ころづかいも決して忘れてはならない」と。
最後に大事な「こ」をつけ加えるなんて、なんて行き届いているんでしょ。まるで不作法者の民草の身を案じる、お優しい女王様みたいではないのって、都知事の顔を思い浮かべると、小意地が悪くなってしまう私。
しかし、これだけ「小」が並んだ飲食って、楽しいか? 人が集まって食事をする意味、ある? というのも、つい先日、都知事ご推薦の「小」の会をして、えらく“塩辛い”思いをしたのよ。
集まったのは、一時期、一緒に学んだ同い年(62才)の男子Aくんと女子3人。「会いたいな」と言い出したのは、優男風インテリの会社経営者男子のAくんで、何十年も会わないうちに彼は都心にマンションを持ち、「生涯困らないだけお金はある」という成功者になっていた。