日本が新型コロナウイルスの脅威にさらされるようになってから約10か月。緊急事態宣言が明けて夏になると、感染の勢いは一時落ち着き、経済活動も本格的に回復し始めたが、今また感染拡大の“第3波”に突入し、油断出来ない状況だ。
長びく自粛生活のストレスも顕著だ。7月にビデオリサーチが行った調査では、緊急事態宣言中に「太った」「ストレスを感じる」「体力の低下」「目の疲れ」「筋力の低下」など、ほとんどの項目で男性より女性の方が悪化を強く感じていたことがわかった。
たとえば、「以前より強いストレスを感じる」という女性が回答者の41.1%なのに対し、男性はわずか25.5%と、約1.5倍もの差がついた。さらに、女性を「働く人」と「兼業主婦」に分けて平日の生活時間を分析したところ、いずれも「起きて」「在宅」している時間が増加したが、特に主婦は日中の家事負担が増えている。家事研究家の佐光紀子さんが指摘する。
「家族が揃って家にいると、昼食を前日の残りもので済まそうにも量が足りませんから、作らざるを得ない。3食を献立から考えてつくって片づけまで行うのは、かなりの重労働です。コロナの影響で、食費のやりくりや、健康に配慮する意識も当然高まりつつある。コロナ禍以降、特に食事まわりの負担が増えているという女性の声が多いのです」
家事の負担が増え、家に人手がある状態でも、結局、育児や家事はすべて女性が負担しているケースが多いのだ。これを助長しているのが、厚労省の「テレワーク総合ポータルサイト」のQ&Aではないかという声がある。テレワークを推進するにあたり、想定されるトラブルや悩みを一問一答形式でまとめている。
Q:《テレワーク勤務(特に在宅勤務)をしていると、家族から家事を手伝ってほしいといわれることがあります。家族への教育はどのようにすればよいでしょうか》
A:《在宅勤務を始めるにあたって、配偶者や子どもに対して、「家にいても仕事をしているのであって、決して会社を休んでいるわけではない」という点を説明し、家族の協力なくして、効果的に仕事をすることができないことを理解してもらうことが必要です》