年金支給開始年齢の引き上げや「老後2000万円問題」、さらにはコロナ不況など、シニア世代にとってお金の不安は尽きない。最近は定年を間近に控えた会社員が、退職後の収入源を確保するために、在職中から副業を始めるケースも多いのだという。
副業マッチングサービス最大手ランサーズの調査によると、コロナ禍以降に副業を始めた人の約3割が「本業で働く会社で管理職などの役職についている」と回答しており、「定年後を意識し始めた世代の副業への関心が急速に高まっている」(同社広報)という。
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(165万部)などの著書で知られ、年金問題やシニアのマネー事情にも詳しい公認会計士・税理士の山田真哉氏が解説する。
「長年、本業の会社での仕事が中心であった今のシニア世代は、定年後、収入減少だけでなく、仕事に代わる『生きがい』や仕事以外の『人脈』が作れず、一気に老け込んでしまう人が少なくありません。お金のためだけではなく、老後の人生を豊かにするためにも副業を試してみてもいいと思います」
ランサーズによると、現在は会社のあらゆる業務、例えば、総務や経理、営業、開発、マーケティング、広報などの仕事が「副業」として募集されており、それらの経験がある人は同社のサービスを通して副業ができる可能性が十分にあるそうだ。
山田氏の最新刊『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』の中では、シニアが持つ知識や経験が生きる副業も多数紹介されている。中でも、とりわけ「ベテランの知識や経験が生きる副業」を厳選して3つ紹介したい。