■「オンライン講師」
コロナ禍で社会全体のオンライン化が飛躍的に進んだことで、講師業のすそ野が大きく広がった。長年の勤務によって得た様々な仕事の知識や経験を伝える「ビジネス系講座」だけでなく、趣味や特技などのスキルを教える「カルチャー講座」のニーズも高く、シニア講師がどんどん増えているそうだ。
オンライン講座の場合、数ある専門サイトに諸情報を登録し、生徒を募集するだけでOK。配信準備や集金も含め、すべてがサイト側でマニュアル化されているため、80代の講師による講座なども存在している。
■「シェアビジネス」
年齢が増すに連れて所有するモノが増え、片づけや処分に困っているのもシニアの特徴。しかし、今は「捨てようか悩んでいるモノ」や「タンスの肥やしになっているモノ」がお金になる時代。最近は家や車、宝飾品、ブランド品などの高額商品だけでなく、あらゆるモノが「シェア」の対象になっている。
また、モノだけではなく、本人のスキルや時間、部屋の中の押し入れなどの「空間」までもが取引されており、「元手のかからない副業」として人気が高まっている。こちらもジャンルごとに複数の専門仲介サイトが運営されており、簡単なマニュアルに沿って手続きを行うだけだ。
■「人材レンタル」
要望に応じて自分自身の知識や経験を伝えたり、便利屋的に肉体そのものを貸し出したりする仕事。かつては相談や話し相手などが主流だったが、最近では喫茶店でのお茶やジョギングパートナーなど、会話ナシで時間を共有するだけの仕事も多いという。
仕事や社会経験の豊富なシニアの需要は高く、「おっさんレンタル」などの有名サイトがテレビなどでも取り上げられている。こちらも専門サイトや人材派遣会社などに登録するなどして簡単に始められる。
定年後を見据え、より豊かな人生を過ごすためにも、今から副業を始めてみてもいいのかもしれない。
【プロフィール】
山田真哉(やまだ・しんや)/公認会計士、税理士。1976年、神戸市生まれ。大阪大学文学部卒業後、中央青山監査法人/プライスウォーターハウス・クーパースなどを経て独立。『女子大生会計士の事件簿』(シリーズ100万部)、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(165万部)など、著作活動も注目されている。YouTubeの『オタク会計士ch【山田真哉】少しだけお金で得する』はCH登録者数が約15万人(2020年11月時点)で、「公認会計士YouTuber」として第1位。最新刊は『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』。