不動産の売却には、所有者であることを証明する「登記済証」など必要な書類がいくつもあるが、なかでも夫婦でぜひ確認しておきたいのが、自宅購入時の「不動産売買契約書」だ。相続問題に詳しいまこと法律事務所の北村真一・弁護士が語る。
「購入時の価格を証明するために必要です。これがないと、売却時の価格の5%のみが取得費として自動計算され、差額は売却益として課税対象になります。つまり、仮に自宅が購入時より安い価格で売れた場合であっても、購入した際の価格を証明できなければ、売却によって利益が出たものとみなされてしまうわけです。その金額が各種控除を上回る場合は、所得税を取られることになってしまいます」
※週刊ポスト2021年1月1・8日号