1990年に始まったセンター試験が廃止され、2021年1月から新たに「大学入試共通テスト」がスタートする。共通テストは新型コロナウイルスの影響を考慮して、第1日程が1月16日・17日の2日間、第2日程が1月30日・31日の2日間の日程で行われ、あわせて53万人余りが出願している。
新しい試みに様々な混乱も予想されるが、不安の色を隠せないのは当の受験生や家族、高校・予備校関係者だけではない。
試験会場となる全国の大学、そして試験監督を務める大学教員からも不安の声があがっているという。
文部科学省のガイドライン
文部科学省の「令和3年度 大学入学者選抜に係る新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドライン」によると、「各試験場において新型コロナウイルスの感染拡大の防止を図り、受験生に安心して受験できる場を提供する視点に立って、大学入試センター及び各大学が試験実施体制を整えるに当たっての望ましい内容や方法等を提示するもの」とある。その主軸となるのは、各大学に要求される3つの措置だ。
(1)事前の準備:試験室数や、試験室の座席間の距離の確保、マスク、アルコールの準備、試験室の机や椅子の消毒、医師や看護師の配置等
(2)試験当日の対応:マスク着用、試験室ごとの手指消毒の義務付け、換気の実施、発熱・咳などの症状のある受験生への対応として追試や別室での受験を提示、自席での昼食等
(3)試験終了後:試験監督等の健康観察、感染者がいた場合に保健所等の行政機関への協力等
一方、受験生に対する要請事項には、「医療機関の事前受診、体調不良の場合、追試験等の受験を検討、試験当日の各自検温、発熱・咳等の症状の申し出、マスクの持参等、“新しい生活様式”等への実践等」と明記されている。