「4月から全面的に対面」という大学もあるが…
2021年度の入学生確保に奔走する大学の中には、大学の経営を支える出願者数の減少を懸念し、すでに「来年4月からは全面的に対面で実施」を表明するところも出始めている。こうした情報を踏まえて、志望校を変更する受験生や、その保護者もいるかもしれない。
しかし、複数の大学教員の声を総合すると、「大学の講義形態は感染拡大状況や、競合する大学の方針などを踏まえて、適宜変更される。現時点での見立てに過ぎない。2021年4月に、こうした決定が大きく変わる可能性もある」という。そのため現在大学が公開する情報だけで、志望校を決定するのは尚早かもしれない。
一定の教育効果が見込まれる科目は、コロナの収束以後もオンラインと対面を組み合わせた様式へアップデートしていくことが予想される。すでに多くの大学が、2年後の2022年度のカリキュラム策定に乗り出しており、「オンライン+対面」を組み合わせたものを想定している大学も少なくない。
それでは、2021年から大学生となる予定の高校3年生と保護者が準備しておくべきことは何か。関西私立大学の教員・Aさん(30代)は次のように語る。
「まず、学生専用のノートパソコンがあったほうが望ましいです。現在、学生にノートパソコンを貸与する大学も多いが、今後は対面講義においても各自ノートパソコンを持参する方向に進んでいるので、あったほうが便利なのは間違いないでしょう。そして、Microsoft Officeのアプリケーション(Word、Excel、PowerPoint)を入れて、基本的な動作に慣れておいてほしい。
見落としがちなのが、メールアドレス。携帯キャリアのメールアドレスしかなく、資料の添付が見られないケースも少なからずあります。最低限、パソコンで使えるフリーメールアドレス(GmailやYahoo!メールなど)を取得しておくとよいでしょう」
意外にもこうした準備が整っていないことで、大学の講義やレポート執筆に苦戦する学生は後を絶たないという。コロナの影響で大学の講義スタイルが大きく変化する中で、学生側の対応力も求められているようだ。