現在、私が担当している学部必修の教養科目は400人が受講しており、専門科目は350人が受講しています。文科省はアクティブ・ラーニング(※学生と教員の双方向性が保たれた授業)を推奨しているので、毎週750人の課題提出物すべてに目を通し、ポータル上で学生に評価のリプライを送り双方向性を保たないといけません」
このように多くの教員がオンライン講義対応に悪戦苦闘している様が伝わってくる。一方で、オンライン講義が導入されたことによって、講義の質の低下を指摘する声もあるが、それにはどう答えるか。都内の私立大学教授(40代男性)は「クオリティの低下が起こっているとしたら、オンラインのせいではなく各教員の姿勢や資質の問題」と語る。
「オンライン講義の質が低いと言われる教員は、もともと大教室で“単位が楽に取れる”と言われていたような、毎年同じ講義を繰り返してきたタイプに多い印象です。悪いのはオンライン化のせいではなく、それがオンライン化によって目立つようになっただけではないでしょうか」
オンライン講義の導入以降、一部では「手抜き講義が目立つ」や「授業が学費に見合っていない」などの声も聞こえるようになったが、学生を満足させるべく教員たちも奮闘しているようだ。