令和の大金持ちはどのような面々なのか──。それを推し量るデータとなるのが「株式」の保有数だ。上場企業約4000社の決算書や大株主の情報などを分析・検索する企業価値検索サービス「Ullet(ユーレット)」の協力を得て、2020年10月末時点の「新・株長者」ランキングを作成した。
「上場企業の有価証券報告書から個人の大株主を抽出し、保有株の時価総額で上位の150人をランキング化しました。個人に絞った順位を公開するのは初の試みです」(ユーレットCEOの西野嘉之氏)
リストからは日本経済の縮図が垣間見える。上位で目立つのは、有名企業の創業者たちだ。
ソフトバンク会長・孫正義氏、ファーストリテイリング会長・柳井正氏に次ぐ3位にランクインしたのは、センサーメーカーのキーエンス名誉会長・滝崎武光氏。
1974年に滝崎氏が設立した同社は2019年3月期決算で粗利益率80%を記録、コロナ禍でも好業績を維持している。保有金額が1兆円を超えるのは、孫氏、柳井氏、滝崎氏のみである。
コーセー一族の固い結束
4位の日本電産会長・永守重信氏、10位のABCマート元会長・三木正浩氏、33位のセブン-イレブン・ジャパン元会長・伊藤雅俊氏らも有名企業の創業者である。
そうした経営者とともに、創業者の「血縁者」も上位にランクインした。
柳井氏の一族からは長男の一海氏(5位)、二男の康治氏(6位)、妻の照代氏(11位)がランクイン。
「この4人で30%以上保有しています。過去に柳井氏は世襲を否定していましたが、2018年11月からは息子2人を取締役に据えており、“どちらかに継がせるのではないか”との声が根強い」(『経済界』編集長の関慎夫氏)