人間は間違えながら成長するものですが、絶対に間違えてはいけない場面で間違えてしまうと、ダメージは甚大。神奈川県横浜市に住むSさん(30代/男性)は、“思い込み”により、一生忘れられないミスをしたそうです。
「今からおよそ20年以上前、中学3年生の時のことです。私は全国有数の強豪柔道部の部員で、大事な秋の大会に向けて猛練習を重ね、大会会場の“武道館”に向かいました。ところが日本武道館に着くと、仲間の姿が見当たりません。というか“それらしき人”が誰もいません。
当時はまだ中学生が携帯電話を持つような時代ではなく、私はポカーンとするばかり。自宅に電話をすると、教師から『S君が来ていない』と連絡が入っていました。私は日本武道館(東京都千代田区)と東京武道館(東京都足立区)を間違えたのです」
事前に顧問は、「くれぐれも会場を間違えないように」と注意をしていたのだが、部長のSさんは、その瞬間だけその場を離れていた。さらにSさんはその年の春、日本武道館で行われた柔道の日本選手権をみんなで見に行っていた。そもそも東京武道館なる施設があることを知らなかった──いくつもの不幸な偶然が重なり、結果的にSさんは、戦わずして3年間打ち込んだ柔道部人生に終止符を打つことになってしまったそうです。
この「東京武道館と日本武道館を間違える」というネタは、後に某アニメでも使われましたが、これ以外にも都内には“間違えて下さい”と言わんばかりの紛らわしい施設が存在します。主にタクシー運転手からリサーチした、都内で特にややこしい組み合わせをいくつか紹介しましょう。
・「科学技術館」「科学博物館」
どちらも“ためになる”という点では共通していますが、扱う範囲は別。科学技術館は北の丸公園の中にあり、日本武道館もすぐ近く。「かはく」の愛称でもおなじみの科学博物館は、様々な美術館や博物館が立ち並ぶ上野の森にあります。
・「国立近代美術館」「国立西洋美術館」
こちらも“美を堪能できる”という点では同じですが、場所は別。国立近代美術館の最寄り駅は東京メトロの竹橋駅で、先ほど登場した科学技術館のすぐ近く。一方の国立西洋美術館は上野の森にあり、同じく前出の科学博物館のすぐ近くです。