コロナ禍の外出自粛の影響から動画視聴時間が増している。ライムライト・ネットワークスが2020年11月に発表した調査では、日本人のオンラインビデオの1週間の平均視聴時間は7.2時間。前年(4.8時間)に比べて1.5倍に急増した。
そうした一方で、最近では「2時間前後の映画を集中して見られない」人たちもいるようだ。映画館のように制限された環境でなく、自宅で視聴する際も、ギブアップしてしまうという。そんな彼らは映画にどう接しているのか。その実態を探ってみた。
「映画を集中して見られるのは、20~30分が限界。だから映画館にはもう3年くらい行っていません。だから『鬼滅の刃』も原作は読んでいますが、映画はまだ見ていません。配信にきたら見ようかなと思っています」
そう語るのは、Webサイト運営会社で働く20代の男性・Aさんだ。基本的に映画は見ないが、気になるものは、あらすじを把握してから視聴することにしており、「なんならネタバレも歓迎」という。
「YouTubeみたいにテンポが良くないと、もう苦痛なんです。配信で視聴するなら途中を飛ばせますし、倍速ができるものもある。ストーリーや人物関係は、ウィキペディアで事前に予習。なんなら、予告動画だけで見たことにすることもあります」(Aさん)
素材メーカーに勤務する30代の男性・Bさんは、映画のような長い動画を家で視聴する際には、何か並行して“ながら作業”することが多い。例えば、映画を見ながらゲームをするといった具合だ。
「アニメのように、20分くらいで1話が終わる動画がちょうどいい。それ以上の時間になる動画は、集中するのがしんどい。映画はスマホのゲームをポチポチしながら見る。映画もゲームも両立できる“二刀流”です」(Bさん)