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遺された妻に有利な「新しい相続」で無駄な出費も争いもカット

相続の新ルールを上手に活用したい(イラスト/鈴木順幸)

相続の新ルールを上手に活用したい(イラスト/鈴木順幸)

 2019年から相続法の改正が進行中だ。新たな相続ルールを正しく知れば、受け取れるお金、残せるお金が増える。以下、相続の基本と主な新ルールを紹介しよう。

家のためのお金は相続税非課税に

「子供や孫にできるだけ財産を残したい」と考え、「相続税がかからないよう財産整理や生前贈与をしておこう」という人は少なくない。しかし、相続税には「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」の基礎控除がある。さらに、配偶者なら1億6000万円、もしくは法定相続分のどちらか多い額までは非課税と、よほどの資産家でない限り、相続税とはそもそも無縁だ。相続・終活コンサルタントで行政書士の明石久美さんが話す。

「折しもコロナ禍にあり、医療や介護にどれほどお金がかかるかわかりません。財産を減らしすぎると、節税どころか今後の生活不安をもたらします」

夫の死後も家に住み続けられる

2020年4月から施行された「配偶者居住権」はどんな制度?

2020年4月から施行された「配偶者居住権」はどんな制度?

 2020年4月1日から施行された「配偶者居住権」は、妻が夫の死後も自宅に住み続けられる権利だが、これを知らない人は多い。相続実務士の曽根恵子さんが解説する。

「これまでは相続時に自宅もお金に換算して分配しなければならず、財産が少ないと家を失う可能性がありましたが、改正後は、自宅はそのまま妻が住み続けられる。これを知らずに、夫が亡くなって自宅を妻名義に変更する登記をして、また妻が亡くなると子供の名義に変更するのは明らかに二度手間だし、登記費用ももったいない」(曽根さん・以下同)

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