投資情報会社・フィスコが、株式市場の12月28日~1月8日の動きを振り返りつつ、1月12日~1月15日の相場見通しを解説する。
* * *
昨年末(12月28日~30日)の日経平均株価は、「掉尾の一振」を実現する相場展開となった。28日の日経平均は、米国で成立が遅れて政府機関の一部閉鎖などが懸念されていた追加経済対策について、トランプ米大統領が法案に署名したことが伝わったことが好感されて200円近い上昇となった。
翌29日には、米追加経済対策の成立を好感する買いが引き続き入り、遂に節目の27000円を突破し、終値でも700円高と大躍進した。節目を突破したことで短期筋による先物買いが入ったほか、日経平均オプションのコール(買う権利)の売り手によるリスク回避の買いなどが加わったことが上昇の弾みを付けたとの指摘が聞かれた。
大納会30日の日経平均は前日までの大幅高からの利益確定売りが優勢となったが、相場の先高観も強く翌年以降の上昇を見込んだ押し目買いも入り、結局、終値は27444.17円と節目の27000円台を優にキープして2020年の取引を終えた。
新年に入ってからの1月4日大発会から6日の東京市場では、まず、年末年始の間に新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者数が大幅に過去最多を更新するなど、緊急事態宣言の再発令を警戒した売りが先行した。そのほか、米ジョージア州の上院決選投票の結果を見極めたいとする警戒感などが上値抑制要因に。ただ、ワクチン普及や大規模なマクロ経済政策に下支えられた先高観は依然として強く、終始、節目の27000円台はキープする展開となった。
エムスリー<2413>が1万台に乗せたほか、半導体受託生産最大手の台湾TSMCが「日本に新工場建設」と報じられたことで東京エレクトロン<8035>などの半導体を中心とした値がさハイテク株が指数の押し上げ役となった。
米ジョージア州上院選の投開票結果が進み、米民主党が大統領および上下議会の過半数を占める「ブルーウェーブ」の実現がほぼ確実になったことが伝わった7日は、政治不透明感の後退やバイデン新大統領が掲げる大型財政政策を期待する動きから一気にリスク機運が高まり、日経平均は400円高と大発会以降の下げ幅をほとんど一気に取り戻した。