「第二の創業」を目指して
──宅配以外の事業展開は?
長尾:一例として2016年から「ネコサポステーション」という住民のみなさんの暮らしをサポートするサービスを開始し、東京都多摩市、千葉県松戸市などで展開しています。買い物や家事の代行、見守りサービス、電気料金の見直しのご相談などのご依頼を承っています。
宅配は我々のコア事業ですが、その物流ネットワークを足がかりに、周辺のお困りごとに対してどういった新しい価値を提供できるか。我々は2019年に創業100周年を迎えましたが、それが次の100年で実現すべき大きな目標だと思っています。
私が目標にしているのは「ヤマトって宅急便だけの会社じゃないよ」とお客様から当たり前に言っていただけるようにすること。“第2の創業”のつもりで取り組んでいきます。
【プロフィール】
長尾裕(ながお・ゆたか)/1965年、兵庫県生まれ。高崎経済大学経済学部卒業後、1988年ヤマト運輸入社。2013年常務執行役員、2015年代表取締役社長を経て、2019年4月よりヤマトホールディングス代表取締役社長。
【聞き手】
河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。
撮影/山崎力夫
※週刊ポスト2021年1月29日号