新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、戦国時代に突入したフードデリバリーサービス業界。勝ち残るため多くの企業がしのぎを削るなか、急成長を遂げているのが「出前館」だ。特にシニア層の利用者が年々増えているというが、その理由は圧倒的な使いやすさと安心感にある。
「ラーメンやカレーなど、こぼれるリスクがある汁ものの商品は、絶対に『出前館』にしているんです」
こう話すのは千葉県在住の主婦・加藤由美さん(仮名・55才)だ。その理由は出前館の「スタッフ」にあるという。
「出前館経由でよく中華を注文するんですが、配達がとても丁寧で、ラーメンの汁がこぼれていたことが一度もありません。応対も丁寧で安心できるので、都内でひとり暮らしをしている娘にも“デリバリーするなら出前館がいいよ”とすすめました」(加藤さん)
出前館の配達システムはウーバーイーツとは大きく違うと、証券アナリストの藤本誠之さんは話す。
「まず雇用の仕組みがまったく違います。ウーバーイーツは、アプリで登録し配達用のバッグを受け取れば、誰でも配達員になれます。一方、出前館のスタッフは面接を受けて採用された正式なアルバイトで、雇用契約を結び、時給制でシフトを組んで働いている。交通ルールやマナーの遵守など厳しい研修も受けていて、配達中の事故なら労災もおります。だからスタッフは安心して働けるし、より安全に運ぼうという意識が高いのです」
また、ウーバーイーツは出来高制なので、どうしても「スキマ時間にたくさん稼ごう」と思って配達を急いだり、効率よく仕事を得ようと店の近くでたむろするなどの問題も起こってしまうが、出前館ではそうしたトラブルも起こりにくい。
「ちなみに出前館はシニア世代の雇用にも積極的で、2022年8月までにシニア雇用率30%を目指すとしています。それだけ社会貢献を意識した会社だといえますね」(藤本さん)
コロナ対策として、配達員の検温も徹底して行っているという。
※女性セブン2021年1月28日号