投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月18日~1月22日の動きを振り返りつつ、1月25日~1月29日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は、もみ合い展開が続いた。週明け18日はそれまでの急ピッチでの上昇に伴う短期的な過熱感から利益確定売りが嵩み270円超と下落。ただ、イエレン新米財務長官が大規模な経済対策の必要性を示す方針と伝わったことを背景に翌19日には390円超高と大きく反発し即座に前日の下落分を取り戻した。週半ばは、バイデン氏の大統領就任式を巡る政治的な混乱を警戒して再び利食い売り優勢の展開に。
無事就任式を通過した後の21日はイベント通過が目先の材料出尽くしと捉えられた面があったほか、翌週以降に控えるFOMC(米連邦公開市場委員会)や日米主力企業の10-12月期決算発表などの新たなイベントを前に様子見ムードが台頭し、朝方の上昇スタート後はもみ合いに徹する動きとなった。週末も、同様の背景から様子見ムードが強く、終始小動きにとどまった。
個別では、週前半は引き続き東京エレクトロン<8035>などの半導体製造装置関連が堅調だったほか、自動車向けなどにMLCC(積層セラミックコンデンサー)のひっ迫が指摘され投資判断の目標株価引き上げもあった太陽誘電<6976>など電子部品セクターが総じて好調だった。
今週の日経平均は引き続き一進一退の展開が予想される。週前半26日から27日にかけて今年最初のFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されている。先日のオンライン会議にてすでにパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長からは「量的緩和の出口議論は時期尚早」とのスタンスが示されており、今回のFOMCが大きなイベントとはなりにくいが、政策メンバーからの発言や全体としての金融政策方針などが更なる株高基調の支援材料となるかに注目したい。
また、週初から日本電産<6594>といった注目企業の決算発表が予定されている。日本電産は上半期決算発表時にすでに業績予想を上方修正しているが、電気自動車(EV)関連銘柄の筆頭格でもあり、永守会長の見通しに関する発言などには影響力もあるため、内容を見極めたい。ポジティブな内容であれば周辺銘柄も刺激される可能性があろう。2月半ばまで決算シーズンが続くため、基本的には決算を受けた個別株物色が主体となりそうだが、指数など全体的な視点からは引き続き堅調な展開が期待できそうだ。
投資主体別売買動向によると、1月第2週(1月12-15日)において、昨年11月の米大統領選以降の上昇相場の主役である海外投資家は現物株を2700億円と第1週の3800億円に続いて大きく買い越してきた。一部の外資証券によると、海外投資家は日本株を依然としてアベノミクス開始時よりも大幅にアンダーウエート(基準よりも少なめに配分)にしていると聞かれ、「世界経済が復調し、新型コロナウイルスの感染状況が改善すれば、資金流入の余地は多分にある」との指摘もあった。海外勢の投資余力はまだ残されていそうだ。