また、海外勢主導の相場に置いて行かれ気味の国内機関投資家についても、株式組み入れ比率がアベノミクス相場時の2013-14年頃と比べてまだ相当に低いとの指摘が聞かれている。決算シーズンを挟んで生保や年金基金といった長期筋も日本株を買ってくるようであれば日経平均の一段高が期待できそうだ。
そのほか、逆張り志向の強い個人投資家も1月第2週には280億円と小幅ながら買い越してきている。日経ダブルイン<1357>の純資産残高も漸減傾向にあり、売り目線だった腰の重い個人投資家も買い戻しを迫られている様子が窺える。このように、全体の需給動向は総じて良好なため、下がったところでは引き続き買い遅れた投資家による押し目買いや待機資金の流入によって支えられそうだ。
まず、日本電産の決算内容次第では再びEV関連銘柄が動意づく可能性があろう。また、半導体についても個別株は決算発表を待ってからでもよいかもしれないが引き続き押し目買いスタンスで臨みたいテーマだ。先週20日に半導体回路露光装置で世界最大手の蘭ASMLが発表した20年10-12月期決算と21年1-3月期見通しはともに市場予想を上回るなど、半導体業界は活況が続いている様子。
関連銘柄については製造装置関連が売られる時にはシリコンウエハーなどの材料銘柄が買われるなどテーマ内での広い循環物色も窺える。そのほか、半導体と同様にEVや5G向けなど幅広い用途から需給ひっ迫が指摘されているMLCC関連処で太陽誘電や村田製作所<6981>などにも引き続き注目したい。
注目決算スケジュールは、25日に日本電産、26日にディスコ<6146>、日東電工<6988>、オービック<4684>、27日に信越化学工業<4063>、ファナック<6954>、オムロン<6645>、NRI<4307>、サイバーエージェント<4751>、28日に東京エレクトロン、アドバンテスト<6857>、HOYA<7741>、富士電機<6504>、アンリツ<6754>、富士通<6702>、29日にキーエンス<6861>、村田製作所、TDK<6762>、小糸製作所<7276>、コマツ<6301>、オークマ<6103>など。
今週の主な国内スケジュールは、28日に12月百貨店・スーパー販売額、12月小売業販売額、29日に日銀金融政策決定会合の主な意見(1月20-21日開催分)、12月失業率、12月有効求人倍率、12月鉱工業生産指数などが予定されている。
一方、米国など海外では、25日に独1月Ifo景況感指数、26日に米FOMC(27日まで)、米1月消費者信頼感指数、27日にパウエルFRB議長会見、米12月耐久財受注、28日に米10-12月期GDP速報値、米12月新築住宅販売、29日に米12月個人支出・個人所得、12月PCEコアデフレータなどが予定されている。