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リーブ21、抗がん剤治療の脱毛対策に進出 がん患者の「希望」に

リーブ21創業者・岡村勝正社長が語る注力するビジネス分野とは?

リーブ21創業者・岡村勝正社長が語る注力するビジネス分野とは?

「悩み無用!」のCMコピーで知られる「毛髪クリニック リーブ21」。ストレス社会で脱毛や薄毛に悩む人が増えるなか、いち早く「発毛ビジネス」に乗り出し、自らもCM出演する創業者・岡村勝正社長(75)が、今後のビジネス展開について語った。

──平成元年(1989年)当時は、どんな仕事をしていましたか?

岡村:1972年、27歳のときに大阪でクリーニング屋を開業したのですが、4年後の1976年からは並行して発毛の研究を始めました。

 クリーニング業は繁忙期と閑散期がはっきりしていて、夏と冬は割と暇なんです。その空き時間で研究を始め、次第に発毛に没頭していくようになりました。平成元年は、そんな試行錯誤を重ねていた中で迎えましたね。

──なぜ発毛に興味を持った?

岡村:周囲に髪の毛の悩みを持つ人がいて、「もし髪を新たに生やすことができれば多くの人の役に立つんじゃないか」という思いがありました。

──そうは言っても、かなり畑違いの印象ですが。

岡村:そうでもないんですよ。仕事柄、洗剤や漂白剤について知識と経験の蓄積がありました。化学合成の洗剤を使うと手が荒れてしまうことも実感していました。

 それで「界面活性剤が入っていないシャンプーを作れば頭皮に良いのではないか」と考えたのです。最初は石鹸屋さんに相談しながら合成洗剤を含まないシャンプーを作って、クリーニングのお客様に「髪にいいものがあるんだけどお金はいらないので使ってみませんか」というところから始めました。

 その後、シャンプーだけでなく、低周波、高周波、LED、レアイオンなど各種の発毛促進の効果実験を重ねていきました。

──現在、特に注力しているビジネスは?

岡村:2020年7月に開発した、抗がん剤治療による脱毛を予防する「セルガード」という頭皮冷却装置の製造・販売です。国内初の装置で、厚生労働省から医療機器の承認を受けています。

 抗がん剤を点滴などで投与する際に、冷却ユニットと連動したキャップで患者の頭部を冷却して血管を収縮させる。それによって頭部の薬剤の循環を制限し、副作用の脱毛を低減させます。

 乳がんを患う女性にとって、頭髪を失うことは大きな悩みです。抗がん剤治療を勧められても、「髪が抜けるんだったらもう使いたくない」と、拒否される患者さんもいると聞きました。女性にとって髪は命と同じくらい大切なものですから、お気持ちはよくわかります。その助けになるものと期待しています。

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