新型コロナ第三波によって、再び自宅でのリモートワークを推進する企業が増えている。また、会議は社内であってもオンラインで、というスタイルが一般的になりつつあるようだ。フリーライターの吉田みく氏は、そのオンライン会議をきっかけに「夫が美容に目覚めた」という40代主婦の話を聞いたが、どうも不満があるようだった。いったい何があったのか。
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「毎日私の美顔ローラーでコロコロ……。40過ぎのオッサンが何をしているんだか……」。都内在住のパート主婦、阿部美波さん(仮名・41歳)は、夫が美容に目覚めたことにうんざりしている様子だった。
今までは美容=女性というイメージが強かったが、最近では有名メーカーからもジェンダーレスコスメが登場するなど、性別の垣根がなくなってきている。美容に興味を持った人なら誰でもチャレンジできる風潮は、新しいムーブメントといえるだろう。
2020年6月にマイナビニュースが行った、500人の男性を対象にした美容に関するアンケートによると、約8割が“身だしなみをしっかりしている人はかっこいい”と回答。同アンケートの回答者には化粧水などのスキンケアを始め、脱毛、頭皮ケア、中にはエステサロンに定期的に足を運び、自分磨きに力を入れている男性が多かった。
「美容に興味を持ち始めたのは、『オンライン会議で部下の顔を見たらシワシワでさ〜』って笑いながら話していた夫に、『あなたも人のこと言えないよ』と私が伝えてしまったことがきっかけでした」(阿部さん、以下同)
この日をきっかけに、阿部さんの夫は基礎化粧品を揃え始めたという。ドラッグストアで購入できる手が届きやすい価格帯のものだったそうだが、それに対しても妻が口を出してしまったようだ。
「年齢やお肌に合ったものを選ばないと意味がないことをアドバイスしたんです。そうしたら、デパートの化粧品売り場でカウンセリングを受けてきたんです……」