投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月25日~1月29日の動きを振り返りつつ、2月1日~2月5日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は、反落となった。週初25日は、前週末の米株市場において発表されたインテルの四半期決算や、バイデン政権が提示した約2兆ドル規模の追加経済対策を巡る先行き不透明感などが嫌気されるも、業績改善を期待した先高観も強く値がさのハイテク株やグロース株が総じて堅調となり、日経平均は反発した。
26日は、米製薬会社のメルクがコロナワクチンの開発を打ち切ったとの報道からワクチン普及の遅れが警戒され、東京市場でも景気敏感株を中心に売られた。また、前場堅調だった値がさハイテク株も値を崩し、日経平均も反落する流れに。
27日には、バイデン大統領がワクチン普及ペースを加速させる計画を発表したことでワクチンを巡る懸念が後退したほか、国際通貨基金(IMF)が日本の2021年の成長率見通しを3.1%(+0.8ポイント)へ引き上げたことが海外マネーの日本市場への流入を期待させ、日経平均は反発。
しかし、28日からは相場の様相が一変した。27日の米株市場において、短期の投機取引が加速し変動率が上昇したことで金融状況への警戒感が広がり売りが加速。米連邦公開市場委員会(FOMC)で大規模な金融緩和据え置きが決定され、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長も当面緩和策を解消する意向がないことを表明したが、下げ止まらなかった。VIX指数も60%超の37ptまで急騰した。
こうした流れを引き継いで、28日の東京市場でもリスク回避の動きが先行し、朝方には一時心理的な節目となる28000円を割り込む場面がみられた。押し目買いも入ってその後は同水準を回復したが、中国や香港などアジア市場も大きく崩れるなか翌日以降の動きを警戒する形で、後場は再びだれる展開に。
翌日の米株市場では、米新興ネット証券が一部の過熱している銘柄について取引を制限すると発表したほか、証券取引委員会(SEC)もこうした投機的な動きに対して他の当局とともに市場動向を監視しているとの声明を出したことなどから、金融市場混乱への警戒感がやや後退。ただ、それでもVIX指数は30pt台に高止まりし、主要3指数の戻りも鈍かった。
これを受けて29日の東京市場でも日経平均は朝方こそは小反発したものの、米新興ネット証券が取引制限を29日から緩和するとの報道が入り、高いボラティリティー(変動率)の継続が警戒され軟調な展開に。後場に入ってからは、週末の海外市場の動向を警戒して売りに拍車がかかる形となり、結局、終値の日経平均は534.03円安と、サポートとみられていた25日移動平均線(27892.33円)も大きく割り込む結果となった。
個別どころで週を通して目立ったのは、想定以上の上方修正を発表しながらも出尽くし感が先行した東京エレクトロン<8035>をはじめ、半導体関連の軟調さが挙げられる。そのほか、グロース銘柄筆頭格でもあるエムスリー<2413>の下落ぶりも目立った。