今年も2月16日から確定申告の受付が始まる。自営業者にはおなじみの制度だが、会社員の場合、勤務先で源泉徴収と年末調整を受けるため不要だと思っている人も少なくない。だが、会社員の場合でも申告が必要な場合や、申告により税金の還付を受けられる場合もある。ファイナンシャルプランナーの寺島宏実氏が解説する。
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源泉徴収の仕組みとは
源泉徴収とは、勤務先である事業者が所得税を計算し、従業員の代わりに国や自治体に毎月、納付する制度です。月々納める所得税は概算額で、細かな控除が反映されていないため、年内に正しい所得税額を計算し直す必要があります。これを「年末調整」と言います。所得税を払い過ぎていれば、年末調整で還付金を受け取る事ができます。多くの会社員は年末調整で手続きが完了します。
会社員でも確定申告が必要な場合
会社員でも確定申告をしなくてはならないケースは、主に以下の3つのいずれかに該当した場合です。
・給与の年間収入金額が2000万円を超える人
・1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
・2か所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人
他には、「災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人」「退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人」なども確定申告が必要になります。