新型コロナウイルスの新規感染者数は、ようやく落ち着いてきたように見えるが、飲食店やインバウンド、ショービズ業界など、コロナ禍による打撃が深刻な業種は、依然として苦しい状況に置かれたままである。しかしその一方で、「持続化給付金」のおかげで、“コロナバブル”に沸いている業種もあるという。新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社)が話題の、社会問題に詳しいライター・奥窪優木氏がリポートする。
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本来、コロナ禍で打撃を受けた事業者が受け取るはずの「持続化給付金」。中小企業には最大200万円、個人事業者やフリーランスには最大100万円が給付されるが、その審査の甘さを指摘する声は少なくない。それを利用して「パパ活女子」たちも私腹を肥やしているという。
現在、定期的に会う4人のパパに加え、週2~3人の新規パパと逢瀬を繰り返しているという、神奈川県在住の大学4年生・トモミ(仮名・23才)さんが話す。
「緊急事態宣言中は、外出しにくくなったこともあり、会ってくれるパパは一時的に激減しました。でも、5月末に宣言が解除されると、パパから誘いが戻り始めた。しかもお手当の相場は以前よりも良くなった印象です。コロナのせいで旅行や外食ができなくなり、手元に現金が余っていることが一因だと思います。
特に気前がいいのは経営者パパ。『持続化給付金が入ったから』と言って、お食事だけで3万円以上くれるようになったパパが2人います。“三密”を避けることを口実に、すぐホテルに行こうとするパパが多いのは難点ですが、6月以降のパパ活収入は月平均で70万円くらいコロナ以前の倍近くになりました」
筆者が彼女と初めに会ったのは、昨年春頃の某雑誌の取材だ。その際彼女は、「パパ活開始から約10か月で1000万円を荒稼ぎした」と明かしていた。「その後は就活が忙しく、パパ活は控えめにしていた」という彼女だが、彼女の貯蓄額は間もなく2000万円になるという。しかも、コロナ禍にもかかわらず大手企業からきっちり内定も勝ち取ったというからしたたかだ。
しかし彼女によると、世の中にはさらに強欲なパパ活女子がいるのだという。
「持続化給付金を自分の名義で受給してしまうパパ活女子が結構いるんです。私の知り合いにも、パパに入れ知恵されて受給したパパ活女子が一人います。出会い系サイトでも、『持続化給付金もらえるようにしてあげるよ』などとメッセージを送ってくる男が結構います。私は絶対に手を出さないけど」