コロナ禍で出費が増えたという声もある。元会社員のCさん(71歳)は93歳になる母親と2人暮らし。三度の食事を作り、週1回、母を車椅子で病院に送迎する“老老介護”をしている。
「母も私もシルバーパスがあるのでバスは無料。マイカーは費用がかかるからと3年前に手放しました。しかし、コロナが広がって公共交通機関を使うのは心配になり、今はタクシーで通院しています。片道1200円で月に1万円ほどの出費です。
人混みを避けて食品の宅配サービスを利用するようになったが、スーパーの特売品より割高で、食費は3割ほど増えた。身を守るための出費がかさんでいる」
菅義偉首相や麻生太郎・副総理兼財務相、田村憲久・厚労相らがそうした現実に目を向けていれば、コロナ禍での年金減額という国民の傷口に塩を塗り込むような政策が実行されるはずがない。
※週刊ポスト2021年2月12日号