戸松信博の明日の爆騰株を探せ!

チェンジ:今は調整模様だが、株価再上昇に期待したいDX銘柄

チェンジ(3962):市場平均予想(単位:百万円)

チェンジ(3962):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 チェンジ(3962)は、2003年の創業から「人口減少予測」に着目し、業務改革・生産性向上に軸足をおいた事業で成長している企業です。

 業務改革やITプロジェクト管理に対するコンサルティング事業から始まった会社ですが、生産性向上のためには「優れた人材」が必要と考えIT事業者向け人材育成事業を開始。さらに人材だけでは生産性向上は達成できないと考え、自らSI(システムインテグレーター)に参入。そこでスタートしたのが「優れた技術を活用」することで生産性向上を目指す「New-IT トランスフォーメーション事業」でした。

 NEW-ITトランスフォーメーション事業では、モバイル、セキュリティ、ビックデータ(BD)、IoTと新たなIT技術「NEW-IT」を組み合わせて、生産性に変革を起こすためのサービスを提供。

 志向するのは、従来のような「価格が高く、構築に時間がかかり、使い勝手の悪い」ITではなく、「価格が安く、導入がスピーディーで、使い勝手の良い」新しいITを、運輸、金融、製造、建設、流通、官公庁などに幅広く提供しています。

 特に力を入れているのが、現場仕事の生産性向上で、例えば鉄道会社における駅員や運転士、航空会社におけるパイロットや整備担当者といった現場業務のIT化を支援しています。

注目ポイント

 足元の業績は好調。スピード感ある経営で、コロナのマイナス影響を跳ね除け売上1.7倍、営業益3.3倍を達成しています。特に社内業務を素早くテレワーク化し、コロナ禍で需要高まる公共など採算が高まる顧客にターゲットを舵切り、合わせて提供サービスも「ウィズコロナ」向けに切り替えた、そのスピード感が高く評価されます。

 このスピード感は大手SIには為せぬ技で、同社の大きな強みでしょう。次々と生まれ来る新しい技術を駆使し、ニーズに合ったソリューションをいち早く開発・提供できる強みがコロナ禍で浮き彫りになったといえます。

 そして今期においてはトラストバンクの完全寄与もあり、中期計画を前倒し達成する見込みです。2019年11月末(2020/9期中)に迎えたトラストバンクの業績貢献は、将来にわたって大きな効果を生み出すと思います。20/9期にコロナ禍で公共に顧客ターゲットを向けることが出来たのも、トラストバンクが持つ自治体ネットワークの力と見られ、今後のパブリテック(公共×New-IT)拡大に向けた大きな競争力の源泉となりそうです。

 利益率が48%の高採算事業パブリテックのセグメント追加により、キャッシュ創出力が大きく上がりました(▲1000万円→44億3400万円に)。財務基盤も、自己資本比率44.4%で実質無借金と健全です。有利子負債には27億6100万円ありますが、その倍以上に及ぶ75億9900万円の現金等手元資金があります。コロナによる影響を加味し、同社はM&Aは控え、キャッシュポジションを厚くすることで景気悪化に対する防御力をアップさせました。

 株価は6か月で+75%でしたが、年初来で‐9%となり、ウィズコロナ銘柄として隆盛を誇ったあと、材料出尽くしで調整している模様。一息入れたころに、M&Aが実施されるなどのニュースが入れば上昇の起爆剤となる可能性も残されていると思います。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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