関西圏在住の50代自営業の男性・Bさんは、出張で東京に来た時は、帝国ホテルをよく利用していた。プランド力と素晴らしさをよく知るBさんにとっては、「コロナで大変なんだろうけど、安売りもしないでほしい」という複雑な心境だ。
「今まで利用してきた経験から言うと、サービスは『素晴らしい』の一言で日本の誇りです。それが1か月で36万円は確かに魅力的です。その一方で、帝国ホテルには“安売り”しないでほしいという思いもあります。コロナ禍でお客さんが減って、仕方がないと思いますが、価値が下がらないといいなと……。ただ、リーズナブルになった分、高齢の人だけでなく若い人にも魅力を知ってもらうチャンスだとも思います」(Bさん)
若い世代は帝国ホテルのアパート化をどう思っているのだろうか。メーカーに勤務する30代女性・Cさんは、YouTuberが「住んでみた」企画をするのでは、と楽しみにする。
「食費は専用メニューで6万円となっていますが、1日2000円と思えば、普通に全部外食するよりも安いほど。月45万円で掃除洗濯食事がついてきて、快適に過ごせるとなると、普通に暮らす人が出てきて全然おかしくない。人気メニューのカレーもあるというし、ちょっと実際の食事や部屋を見てみたいですね。YouTuberがやりそうだなと思います」(Cさん)
一方、美容師の20代女性・Dさんは、「一見割安に見えるけど、だからといって自分には関係のない話」と言う。
「帝国ホテルということを考えればお得感がありますが、月36万円出せるのかって言われたら、ほとんどの人が無理でしょう。かといって、ホテル業界には頑張って欲しい。泊まることはなくても、高級ホテルが閑散としているというニュースは、心が痛むので……。お金に余裕がある人たちが、どんどん住んでくれたらいいなと思います」(Dさん)
30泊36万円が高いか安いかは各人の収入や価値観によるが、日本を代表する帝国ホテルのサービスアパートメント化というニュースの注目度が高いのは間違いない。いったいどんな人が利用するのだろうか?