「男性は生まれつき家事が苦手」という見方もある。早稲田大学名誉教授で生物学者の池田清彦さんが指摘する。
「家事において求められるのは、お鍋を温めながら掃除機をかけたり、ネットに入れるべき洗濯物とそうでないものに分けたりする条件反射的な動きや、それを同時進行で回していく力です。女性の脳は男性に比べて右脳と左脳をつなぐ脳梁が大きいといわれていて、脳全体を使う力に秀でているためマルチタスクのような動作が得意というわけです。
ですから、女性が次から次へと手際よくこなせる動作であっても、男性の脳にとっては苦手な作業なのです。半面、男性は1つのことに集中する性質があり、男性に家事や料理を任せると、かえって“凝り性”になってしまうのもそれが理由です。夫に家事を教えるのなら、並行してではなく、1つずつの方が結果的には効率がいいでしょう」
定年後の夫婦生活を良好に保つためには、辛抱強く夫を“育てていく”必要があるようだ。
※女性セブン2021年2月18・25日号