今年初めからコロナ不況の中で砂糖、家庭用油など生活必需品の値上げが始まった。砂糖は感染拡大による物流の停滞で原料(粗糖)の輸入価格が急騰。三井製糖は卸業者などに対し出荷価格を1kgあたり5円値上げすると通知した。
油脂製品も大豆、菜種、パーム油など原料の相場が上昇、昭和産業は取引先に3月からの価格改定を要請している。
コロナの影響でただでさえ厳しい庶民の家計は、さらに逼迫していくのだ。
電気料金は値上げで混乱が起きている。コロナによる巣ごもり需要に加えて、寒波で電力需給が逼迫。電力事業者が電力を売買する日本卸電力取引所(JEPX)の指標価格は昨年12月の1キロワット時5円台から、今年1月には一時25倍にハネ上がった。
この影響を受けているのが電力自由化で次々に設立された「新電力」会社だ。家計の節約のために大手電力から「料金の安さ」で新電力に乗り換えたケースは多いが、電気代が卸売価格と連動する「市場価格連動型」プランで契約している場合、1月分の電気代が卸価格急騰の影響をまともに受けるため、高額になりすぎて救済措置をとる新電力もあるほどだ。
「手洗い」が奨励されるなか、水道料金も上がる。昨年、横浜市は約12%、埼玉県川口市は約25%の値上げを発表。市民の猛批判を浴びていったん延期されたが、川口市は今年1月に値上げし、横浜市は今年7月から引き上げる。
※週刊ポスト2021年2月19日号